交通事故に遭ったらまずは整形外科?整骨院?どっち??

2018年03月12日

整形外科と整骨院・接骨院の違いは?
 
交通事故による負傷の治療のため、整骨院・接骨院に通う人が多くいます。
 
整骨院と接骨院は基本的には同じで、柔道整復師という有資格者が施術を行いますが、
 
これは医療行為ではなく、医療類似行為と呼ばれるものです。
 
 
 
 
柔道整復師は、国家資格のひとつ
 
整骨院・接骨院は、解剖学、生理学、運動学、整形外科学、リハビリ学、一般臨床医学などの医療に関する知識を専門の養成施設(3年間以上)、
 
あるいは大学(4年制)で学び、柔道整復師の国家試験に合格した者が開業するものです。
 
柔道整復師は補完医療の専門家として医学的な知識を有し、打撲や捻挫などの治療にあたるため、
 
交通事故の負傷で多い、むち打ち症の治療のために通院する人が多いのも特徴です。
 
 
 
 
整骨院・接骨院の費用には、自賠責保険の保険金が支払われる
 
自賠責保険の保険金の支払い基準に、以下の規定がなされているため、整骨院・接骨院の費用は加害者に請求することが可能となります。
 
積極損害のうちの治療関係費として、次のように記されています。
 
・柔道整復等の費用
 
免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師が行う施術費用は、必要かつ妥当な実費とする。
 
 
・後遺障害の認定を受けるため、整形外科での受診を推奨
 
整形外科では医師が診察、治療にあたり、保険の取り扱いも確実で、
 
レントゲン検査・超音波装置・MRIによる精密検査、投薬、必要ならば手術も可能ですが、
 
通院時間帯が限られ、必ずしも交通事故による負傷に精通している医師ばかりではありません。
 
反面、整骨院・接骨院には、むち打ち症に特化している医院や、交通事故による負傷を専門的に受け入れている医院もあり、
 
診療時間も一般的にはフレキシブルで、受領委任という形ですが、健康保険の利用も可能です。
 
利便性を考えれば、整形外科で診断を受け、整骨院・接骨院で治療を続けることが良いと考えられますが、
 
次項で指摘する問題点があることは認識しておかなければなりません。
 
 
 
 
後遺障害診断書は、整形外科でしか作成できない
 
交通事故による負傷の治療段階においては、整形外科でも整骨院・接骨院でも大きな差はありませんが、
 
負傷の治療が長引き、治癒が見込めない状態となり症状固定を迎え、後遺障害の認定を行うとなると、整形外科での診断が不可欠となります。
 
後遺障害の認定に必要な後遺障害診断書は医師でないと作成ができないので、
 
必ず整形外科を受診している必要があるのです。後遺障害診断書がなければ、
 
後遺障害の等級認定の申請が行えず、加害者との慰謝料などの示談交渉ができなくなり、
 
損害賠償金が受け取れなくなる可能性も出てきます。
 
 
 
 
整骨院・接骨院に理解のある整形外科を受診するのがベスト
 
例えば、後遺障害が残りそうな負傷を負ってしまったとしても、仕事の都合で土日にしか通院できず、
 
どうしても整骨院・接骨院に通いたいという人もいるでしょう。その場合は、整形外科で医師に相談し、
 
治療のために整骨院・接骨院に通う必要があるという診断をしてもらうのがベストです。
 
この記録が整形外科のカルテに残っていれば、整骨院・接骨院に通っていたとしても、
 
後遺障害診断書が必要になれば整形外科で書いてもらいやすいですし、
 
保険会社に整骨院・接骨院の通院費や治療費を請求しやすくなります。
 
なお、保険会社によれば通院する病院を指定してくることがありますが、
 
必ずしもその病院に通わなければならない義務はありません。
 
しかし、後のトラブルを避ける意味でも、保険会社に通院先を通知しておくことが推奨されます。
 
 
 
 

 

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※本記事は厚生労働省認可の国家資格:柔道整復師・鍼灸師 安村嘉晃が監修しています。